仕事がデキを左右する「報告」のスキル。報告の仕方ひとつで仕事の進捗が変わり、成果にも影響します。
ビジネスマンとして重要なスキル「報告」とは?
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できないと損だらけ!報告スキルが必要なワケ
報告業務は簡単なようで実はとても難しく、20代の新人さんだけでなく、30代40代になってもうまくできない人が多くいます。
私も20代の頃、最初にぶち当たった壁がこの報告です。
上司に途中経過を報告をしなかったばかりに仕事が滞りトラブルが起きてしまうことが多々ありました。
報告は円滑なコミュニケーションの基礎であり、仕事のトラブルを防止する力と成果に繋げる力があります。報告がうまくなると仕事全体がうまくいくはずです。
そんな報告スキルは、経験の蓄積だけでなく自分で意識しなければ改善していきません。
20代の早いうちから正しい報告スキルを身に着けることをおすすめします。
報告スキル①結論・結果から言う
上司は結果や結論を先に知りたがっています。忙しそうな上司なら尚更です。
結論を先に言う人は、時間を無駄に使わず効率を重視し、相手が何を求めているのかをきちんと理解していると言えます。
例えば、結論を後回しにした報告を一つ挙げてみます。
「実は昨日電話したんですけど、まず1回目は全然でてくれなくて……というわけで、アポが取れていません。」
このようにダラダラと先が見えない経過報告を続けると上司をイライラさせるだけです。
「今日はアポが取れていません。理由としては…」と結果から先にまとめましょう。
報告スキル②内容によって話しかけ方を変える
「上司が忙しそうで報告を聞いてくれない」「機嫌が悪く話しかけづらい」という状況もあるでしょう。
しかし、報告はタイミングが重要です。緊急性がない報告以外は上司が忙しそうにしていても、早く報告する必要があります。
普段であれば「○○の件でご相談よろしいでしょうか?」「今お時間よろしいですか?」というように声をかけると思いますが、トラブル時の報告では、声を掛ける段階で一工夫するとスムーズです。
「トラブルが発生したのですが、今よろしいでしょうか?」
「ミス発生のご報告があります」
「急ぎの用件で失礼します」
このように声を掛ければ、いくら忙しい上司でも優先して耳を傾けてくれるはずです。
トラブルや急ぎの報告なのに、「ちょっと報告したいのですが…今って忙しいですか?」などと、危機感なく話しかけるのは効率が悪いですし、上司への印象もあまり良くありませんね。
報告スキル③悪い情報は先に伝える
良い報告より悪い報告を先に伝えるようにします。
例えば、
- 3件契約できた
- 取引先からクレームがきた
- パンフレットが出来上がった
と3件の報告があれば、まずはクレームの件から報告します。悪い情報は早く対処する必要があるからです。
悪い情報は後回しにしてまずは契約できたことを報告したくなりますが、デキる上司なら悪い情報から知りたがるはずです。
報告スキル④正確な情報を用意しておく
報告は簡潔で正確な内容が求められます。
「だいたい合っています」
「間に合うと思います」
「少し先になると思います」
「みんなそうだと言っています」
このように具体性に欠ける内容では報告の意味がありません。
「間に合うと思います」→「11時までに到着します」
「みんなが言っています」→「○○さんと○○さんは同意見でした。私の考えは○○です」
「少し先になると思います」→「3日後になります」
不確かな情報があれば、スケジュールを見たり相手先に確認をして、内容を正確に把握しておきます。さらに、理由や今後の戦略まで一緒に報告できるといいでしょう。
報告スキル⑤事実と意見を区別する
報告は事実をそのまま伝えることに意味があります。自分都合の憶測や思い込み・感情が混じった判断が混ざっていると、上司が混乱するばかりか大きなトラブルも招きます。
しかし実際は、客観的な事実と主観的な個人の憶測がごちゃ混ぜになってしまう人は多くいます。
実は私もそうでした。「憶測でものを言うな!」「自分の都合の良い解釈をするな!」とよく怒られました。しかし、自分が感情的になっていたり焦っていたりすると、主観が混ざっていることに気づかないのです。理解するまでには時間が必要でした。
では、どんな時に主観が混ざりやすいのでしょうか?
- 忙しくイライラしたり気分が落ち込んでいる時
- ミスをした時や失敗など気持ちに焦りがある時
- 客観的情報が不足していて報告内容に自信がない時
- 上司の機嫌が悪い時
- 成績が良く上機嫌でテンションが上がっている時
このように、自分の精神状態に何かしらの変化がある時に主観が混ざりやすくなります。
「取引先からキャンセルがありました。値下げすれば大丈夫です」
と、この報告には、事実とは別に主観が混ざっています。
クライアントから受注したものにキャンセルがあって「どうにかしないと…」と焦ってしまい、勝手に「値下げをすればキャンセルを取り消してくれるかも」と思い込んでしまうケースです。
クライアントは「値下げすればキャンセルは取り消す」と言っていないのに、あたかもそれが事実かのように報告してしまうのです。
自分の意見や推測を伝える場合は「これは私の意見ですが…」「これは私の推測ですが…」とはっきり伝えてから報告するべきです。
1.自分都合の憶測や推測は区別して伝える
2.感情の加わった個人的意見には気をつける
3.客観性のある情報やデータをしっかり用意する
報告スキル⑥戦略や代案を用意する
「結果は分かったけど、でどうするの?」と上司から言われることがあります。
成約数が目標に達しなかったことを報告する時、ミスが起きたことを報告する時など、その事実を報告するだけでなく、自分の戦略や解決方法を提示する必要があります。
仕事がデキる人は、ただありのままを報告するだけでなく、1歩2歩先を見てこれからの戦略もしっかりしているものです。
報告スキル⑦タイミングよく報告する
「あれ、どうなってる?」「結果はどうだった?」と上司によく聞かれるのであれば、報告が遅いか、報告する量が足りていません。
1.催促される前に報告する
2.経過やプロセスの報告も大切
3.変化があったら細かく報告をする
上司は常に部下の業務が気になるものです。仕事が失敗すれば自分も責任を問われるため、順調に進んでいるか細かくチェックしておきたいのです。
報告するタイミングは大きく5つ
- 仕事を開始する時
- 仕事が進行している途中
- 不安を感じた時
- 問題の発生時
- 仕事完了時
最もスピードが必要な報告は「問題の発生時」。忘れがちなのが「途中経過の報告」と「不安を感じた時」です。
問題の発生時は他の業務を後回しにしてでもすぐに報告します。
「上司が忙しそうだから後にしよう」「問題点をまとめてからにしよう」と、報告が遅れてしまうと大きなトラブルに繋がり兼ねません。
途中経過の報告とは、仕事の経過を報告することです。
報告は結果や結論だけでなく、そこに至るまでの経過や理由などのプロセスを伝えることも重要です。
「○○様の進捗ですが、今日の13時に訪問予定です。昨日、電話が繋がらないのでカタログを郵送したところ、お電話をいただきアポが取れています。」
「以前お会いした新規のお客様の件ですが、まだ返事がありません。今日電話をしようと思います。」
このように仕事の進捗状況を報告すれば、上司は「フォローは必要ないか」「問題点はないか」を把握でき、早期に軌道修正ができるのです。
仕事が順調な時ほど現状を把握しておきたい場合もあるため、業務が進み変化が合った時点で、内容をまとめて報告できるとよいでしょう。
不安を感じた時の報告とは、「業務が遅れそうかも」といった具体的な不安だけではなく「なんか変だ…」となんとなく不安を感じた時も必要です。
トラブルが起きる前のちょっとした異変に気付いて上司に報告ができれば、未然にトラブルを予防することができます。
不安や問題を感じたらなるべく早く報告できると良いです。
「スケジュール通りに進んでいますが、取引先から何の質問もなく、なんとなく心配です。」
「検査の結果は問題ありませんでしたが、最近同じようなクレームが多いため、念入りなチェックが必要だと思います。」
仕事をしていると、なんとなく胸騒ぎがしたり直感でひらめいたりと、経験と勘によってトラブルを感じ取れることがあります。
「こんなことで報告しないほうがいいかな」とは思わず、自分の感覚を信じて上司に報告することが大切です。
報告スキル⑧トラブル時にはすぐ報告する
悪いことが起きた時などトラブル時は迅速な報告が求められます。
「私の確認不足で発注先を間違えてしまいました。今、修正に取りかかっています。とりあえずですが、状況をお知らせしておきます。」と簡単にでも現状を報告します。
先述では「戦略を用意する」など一工夫した報告の方法をご紹介しましたが、トラブル時に限ってはこれらのやり方は当てはまりません。
トラブル時はすぐに第一報を入れる
新人さんや報告が下手な人にありがちなのは、怒られることが嫌で報告しないこと。
上司に言い出せずに報告が遅れてしまったり、最後まで報告できなかったなどの二次トラブルはよくある話です。
20代の新人さんであれば「すぐに報告するほどではないと思った」「1人で対応できると思って報告しなかった」などの判断ミスも多いです。
どう処理すべきかの判断は上司またはチームでするもの。トラブルは1人で抱え込まないことが常識です。
スキル⑨「報告しない」という判断はほぼ間違っている
報告しないという判断はほぼ間違っていることを意識しておきましょう。
報告することは恐いことではありません。本当に恐いのは報告しないことです。
私が史上最高に怒られた時、その原因は「報告しなかった」たったそれだけです。
20代の頃の私は仕事があまりにもできないので、上司に「これだけやっておけ」と言われた簡単な”業者への発注業務”がありました。
業者に依頼の電話をすると「締切時間までに間に合わないかもしれないけど、やっておきます」と言われ、そのまま放置。
案の定、時間になっても業者からの連絡はなく、上司に激怒されました。
業者から曖昧な返事をもらった時点で上司へ報告していたら、きっと状況は変わっていたでしょう。
今だから反省もできるし理解もできますが、その当時は「自分のやるべきことはやった」「業者が悪い」と思っていました。
報告をマスターしよう
報告とは、そのレベルで会社全体にも影響を及ぼしていくほどです。1人ひとりの意識や行動がオープンで情報の流れが良くなれば、トラブルが減り成績がアップするだけでなく、会社全体の品質向上にも繋がります。
「仕事で怒られてばかり」「上手くできないことが多い」と感じているなら、ぜひ報告の仕方を工夫してみてください。