【仕事がデキる話し方】重要なのは「質問力」ポイントと手法まとめ

仕事がデキない人の話し方=質問をしない

あなたのまわりにこんな人いませんか?

話をしていると武勇伝や自慢話が多い…

お決まりのセールストークを淡々と話す…

このように自分のペースで話をしている人は仕事がデキない人かもしれません。

自分の企画を提案する時または部下に教育する時などに、なぜか自分の武勇伝を語ってしまう人がいます。

「俺は大手企業で働いていたから…」「○○大学で研究をしていたから…」「有名な○○さんと一緒に働いていたから…」と、話に説得性を持たせるためなのでしょうが、相手からすればただの自慢話にしか聞こえません。

このような例は、自分の目線だけで話をしている人によくある特徴です。

もうひとつは、会話が苦手で臨機応変に対応できず、あたりかまわずセールストークになってしまう人、「売りたい!成績を上げたい!」の一心でガツガツしたセールストークになってしまう人です。

会話にケースバイケースで対応できないために、ただひたすら一方的に話し進める人は、かなりの確率で成績が上がらないはずです。そして、ガツガツしたセールストークは相手に迷惑がられてしまうことが多いと思います。

このように自分の都合だけで話す人は仕事がデキないと言わざるを得ません。

なぜなら、一方的に自分が持っている情報だけで話をすると、相手のニーズに応えることができないからです。

仕事がデキるようになるには、相手に「そうなんですよ」と言わせることがカギになるのです。

仕事がデキる話し方=相手に興味を持って話す

仕事がデキる話し方で一番の基本は「相手に興味を持つ」ことです。相手を知ることでニーズに応えることができます。

同じ商品・サービスでも相手のタイプによって「どんな訴求方法がいいか」「どんなストーリーがいいか」は変わってきます。

反応するポイントや気持ちに突き刺さる話が変化するのです。

例えば、広告デザイン会社にプリンターを売り込むなら、発色がキレイなことをアピールしたほうがいいかもしれません。しかし、その会社が経費を削減したいと考えているなら、プリンター費が安くなることをアピールする必要があります。

部下に教育する時や上司を説得する時も同じです。相手の状況や課題を知り、ニーズに合わせて話をすることで、相手の心に届けることができるのです。

話す力ではなく聞く力を鍛えよう

「私は話が苦手だ」「話すと緊張する」という人は、まず「自分が話しをしなくては」という思い込みを捨ててください。

話が苦手な人は話上手になる必要はなく、コミュニケーション上手になるべきです。コミュニケーションとは、相互に話しをすることで一方的な行為ではありません。

つまり、話すこと以上に「聞く」ことが必要なのです。さらに、仕事がデキるようになるには相手のニーズをキャッチする質問力が重要になります。

相手のニーズを聞き出す「質問力」とは?

質問力とは「良い質問ができる技術」とも言えます。”質問をする”ことは簡単ですが、ニーズを聞き出せる質問の技術を身につけることが必要なのです。

質問力を向上させる3つの基本姿勢

◎相手の立場にたって考える

相手のニーズを聞き出すために良い質問をするには、まず「相手の立場にたって考えること」です。

「私は何を質問しよう」と自分主体で考えるのではなく「私がこの人だったらどう思うだろう」と相手の目線で考えることです。相手の目線に立ち、重要であろうキーワードを探していきます。

また、相手をよく観察して話すことが大切。「納得していない様子だ」「話しにくそうだ」など、相手の背景にある思いや言葉にできていない心情も探ることで、より深くニーズを捉えることができます。

◎質問は5W3Hから導き出せる

「何の質問をすればいいか分からない」という人もいるでしょう。質問を考える際に基本にしたいのが5W3Hです。5W3Hに沿って質問を考えるとわかりやすくなります。

5W3Hとは…

When いつ(期間・日程・時間)
Where どこで(場所・行き先)
Who 誰が(担当・分担) 
What 何を(目的・目標)
Why なぜ(理由・根拠)
How どのように(方法・手段)
How many どのくらい(数量)
How much いくら(費用)

仕事のうえでニーズがあるのは、大抵が「時間」「お金」「クオリティ」に関わることです。質問する時にはこの3点は抑えておきたいところです。

◎質問はテンプレ化しないこと

良い質問をするために、事前に質問項目をメモして順番に質問していくという方法はおすすめできません。

質問は、会話の流れの中で臨機応変に対応していくべき。質問リストを用意しておくことは無駄ではありませんが、テクニックや綺麗に話すことを重視しなくてもいいのです。

質問リストに注目するよりも、相手の発言の中で重要なキーワードを聞き逃さないように集中することが大切です。そのキーワードから派生して質問を投げかけ、いい流れを作っていけるように意識すると良いと思います。

2種類の質問形式の特徴と使い方

質問形式には2種類あります。相手に自由に話をさせる「オープンクエスチョン」と、イエス・ノーで答えられるような質問をする「クローズドクエスチョン」です。

オープンクエスチョン

「あなたならどうですか?」「気になることはありますか?」「悩みは何ですか?」と漠然とした質問方法です。

オープンクエスチョンは相手に会話の主導権を握らせる時に有効で、相手が会話に参加しやすい状況を作ります。

また、新しい話題を探す時や話題を広げる時にもオープンクエスチョンを使います。

ただし、質問が漠然としすぎていると逆効果になる時があります。

営業先の会社に「どうしたいですか?」と質問してもいい返事は返ってこないだろうし、部下に「なぜできないの?」と投げかけるとかえって威圧的になってしまい、期待している答えは返ってこないでしょう。上司に「何か問題はありますか?」と聞くと、自分で考えろ!と言われてしまうかもしれません。

クローズドクエスチョン

「AとBどちらがよいですか?」と、回答がAかBで限られるような質問や、「○○のほうが好きですか?」とイエスかノーで答えられる質問をクローズドクエスチョンと言います。

相手から結論を引き出したい時に使うもので、より深い情報を聞き出したり、相手のニーズの決定打を探す時に使います

例えば、営業の初期段階ではオープンクエスチョンが中心ですが、徐々にクローズドクエスチョンを増やしていきます。そうすることで、相手のニーズを探りながら契約するか否かを決めてもらうのです。

顧客のニーズを探るには、答えやすい質問から始めて、次第に具体的な質問をしながら顧客の悩みや課題を引き出していきます。漠然とした質問だと相手が答えそうにない場合は、クローズドクエスチョンで少しずつ的を絞っていく話し方が有効です。

相手のニーズに辿り着くチャンクダウンとスライドアウト

質問をしながら相手の悩みや課題を見つけるために有効な2つの手法があります。相手の悩みを掘り当てていく「チャンクダウン」と、多方面から質問することで課題を見つける「スライドアウト」です。

質問の深堀方法「チャンクダウン」

チャンクダウンとはかたまりを小さくすることを意味します。つまり、オープンクエスチョンでざっくりと話をはじめて、返ってきた答えを徐々に深堀りしていく方法です。

例えば、広告デザイン会社にプリンターを売り込みたい場合で具体的に考えてみまよう。

広告デザイン会社へ「プリンターの発色にお困りの点はありませんか?」と質問します。

すると「別にないかな…」と面倒くさそうに返事が返ってきたとします。

その後「プリントアウトした紙の色とパソコン画面の色が違ったりしませんか?」と具体的に質問すると「あっ、この前それで問題になったことがあったよ」などと悩みが出てきたりします。

質問をより具体的にしたり深堀りすることで、相手のニーズに近づくことができます。

チャンクダウンを意識すると、曖昧なままで終ってしまう会話からニーズを発見することができるのです。

質問の視点を変えたり視野を広げる「スライドアウト」

スライドアウトとは、他にズレて考えてみることです。「他には?」と他の選択肢を与えたり、「では○○はどうですか?」と他へ視点をずらしてもらう時に有効です。

スライドアウトを使うと、より多くの情報からゴールを導くことができたり、より明確にニーズを捉えることができます。

先ほどの例から考えてみましょう。

広告デザイン会社にプリンターを売り込みたい場合、まず最初は「今はどこのプリンターをお使いですか?」とか「発色の良し悪しにお困りの点はありませんか?」などと質問を始めます。

しかし、その質問からはいい答えが見つからなかったとします。その場合は、他の視点から質問をします。「一枚プリントアウトするのにいくらかかっていますか?」「インクジェットはどのくらいの期間で交換していますか?」など、他の道筋を作って問題点を探っていくのです。

次第に情報が集まり相手の状況が把握できたら「もう少しプリンターの経費を削減できるといいですよね」と投げかけてみると「そうなんですよね~」と、思わぬ課題が見つかったりします。

話が上手な人とは「そうなんですよ」と言わせることができる人

相手のニーズを聞き出せたかどうかは、相手に「そうなんですよ」と言わせることができたかどうかで判断してもよいでしょう。

仕事がデキる人は、自分ばかりが話すのではなく相手にしゃべらせるのが上手い人。そして、言葉が自分本位ではなく相手の心に届けられる人です。