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「うまく話せない」悩みはすぐに解決できる
私が社会人になって、まず最初につまづいたのが話すことです。
分からないことばかりだし、聞きなれないビジネス用語は使いこなせず、周りの人間は偉そうなおじさんばかり…。
仕事をすればするほど苦手意識は募るばかりでした。
そんな私のような新人さんがうまく話すにはもちろん経験や慣れも必要ですが、より短期間で話が上手になるための方法があります。
ちなみに、私はホントに仕事ができない人でした。常識知らずで責任感もない、頭の回転が遅く飲み込みも遅い、使い勝手の悪いザ・若者で特別に伸びしろがあったり能力があったわけではありません。
すぐに実践できる!仕事で話せない人がやるべき8つのこと
私が実践して上手く話せるようになった8つの基本をご紹介します。
準備をする
仕事ができない人が、少しでもうまく話をするためには準備が大切です。
お医者さんでも弁護士でもパイロットでも、プロと呼ばれるデキる人はみな準備を怠らないものです。
私が新人の頃は、うまく話せない…とただただ悩んでいただけでした。早く経験を積んでうまく話せるようになりたいと思っていました。
しかし、話上手になるには経験ではなく準備が大切なのです。逆に、いつまでも話が下手な人は準備が下手かまたは準備をしていません。
「何を話したいのか」を決めてメモをするなり箇条書きにして覚えるなりして準備を怠らないこと。
そして最も大切なのが相手のニーズを下調べしておくことです。相手が興味関心を持つであろう内容を準備しそれを話に反映させれば、より一層コミュニケーションがうまくいきます。
話すのではなく聞く
「話上手より聞き上手」と一度は耳にしたことがあるはずです。
私もうまく話せない新人の頃は、よく上司に言われました。仕事ができる人はみな聞き上手です。ただ聞いているわけではありません。質問が上手なのです。
トークがうまくても、ただ一方的に話をしていては仕事になりません。大切なのは、相手のニーズをくみ取ることです。
プレゼンでも営業でも、相手に合ったものでなければいくら話上手でも受け入れてもらえないのです。
一緒に働いていた先輩に、上手に話ができるのに仕事につながらない人がいました。そんな彼は、取引先との打ち合わせで一方的に話を進める人だったんです。
相手への質問はほとんどなく「うちの商品はこういったもので」とか「来客が30%アップした実績があるんです」と、相手かまわずどんどんセールストークをする人でした。
データを使い説得力もあったのですが、相手のニーズに合ってないせいかほとんど仕事にならなかったのです。
当時の私は「スラスラ話せてカッコイイな」と思っていましたが、今思えばとんだ勘違いです。
自分の主張を上手く伝えることができなくても相手への質問ならできる人はたくさんいるはずです。
私も、会社紹介や商品の説明がすごく苦手でうまく説明できずに悩んでいました。しかし、簡単な質問ならすぐにできました。
「どこの会社の商品を使っているんですか?」とか「お客さんは1日どのくらいくるんですか?」とか質問するだけなら簡単ですよね。
その質問が結果的に、相手のニーズをくみ取っていることに繋がります。
実際に聞き手もダラダラした会社説明なんかはさっさと終わらせてもらいたいと思ってますし、相手は質問されることで「自分に興味を持ってもらえている」と感じ、話はいい方向に転ぶものです。
会話の基本は、相手の関心事や悩みを事前に引き出し、それに見合った答えを見つけてあげることです。信頼関係を築く土台にもなる大切な要素でもあります。
こちらの記事もどうぞ⇒【仕事がデキる話し方】重要なのは「質問力」ポイントと手法まとめ
話す内容は3構成にする
うまく話せない原因のひとつに「何から話したらいいか分からない」「どこから説明すればいいのか分からない」と、話したいことが自分でもまとめられないことがあります。
そのため、話そうとしても「えっと…」と行き詰ってしまうのです。
話す内容は3構成でわかりやすくまとめると話しやすくなります。
1切り出し
2論拠(理由やデータ)
3結論
1、切り出し
切り出しは相手に「聞く態勢」をつくってもらうために必要な内容です。
「○○の話をします」「○○についてですが…」といった話の導入部にあたり、これから何を話すのか簡単に説明します。
話の中で伝えたいことは”ひとつ”に絞ります。あれもこれも伝えようとすると、かえって何も伝わらないので、1メッセージにたったひとつだけ伝えたいことをセレクトしてください。
2、論拠(理由やデータ)
自分の主張や結論(私は○○と考える、だから○○です)に対して理由付けをしたり、より深堀していきます。
話したい内容はポイントを絞って短く箇条書きスタイルがおすすめです。
「1つ目は○○ということ。2つ目は○○だからです」とひとつひとつ分けて話します。
そうすることで自分でも話しをまとめやすくなり、聞く相手も内容を理解しやすくなります。
冒頭では「ポイントは3つあります」と述べてください。すると相手は「おっ、3つあるんだな」と集中できますし、話の内容を頭で整理しやすくなります。
3、結論
結論とは「要するに何を伝えたいのか」を話すことです。
「そのため○○となります」と結論を述べるか、「○○といった理由でおすすめします」と内容をまとめて言い切る場合もあります。
自分が主張したいこと、相手に伝えたいことを雑談的に終わらせないためには、自分なりの考えをもって結論を言い切ることが大切です。
話したいことを3構成にしてみよう
3構成で話すには事前準備をします。話す言葉をまるっと書き出す必要はありませんが、自分が分かるように話す内容を書き出しておきます。
切り出しの言葉と本論の箇条書きをメモをしておくだけでも、話し方に差がでるはずです。
例えば、
「今回ご提案したい商品は○○です。これは御社の売上を伸ばす起爆剤となる商品です。
その理由は3つあります。
1つは○○です。
2つ目は○○です。
3つ目は○○です。
そのため、売上を50%アップさせることができます。」
「7月の目標利益を70万円に変更すべきと考えます。
理由は2つあります。
1つ目は○○だからです。
2つ目は○○だからです。
そのため、○○となり、前年よりも20%アップさせ70万円としました。」
このように切り出しは「何を話すか」をひとつ伝えます。本論では箇条書きスタイルで内容を説明します。
結論では分かりやすく話す時は難しい言葉を使う必要はなく、短く簡潔に話すことを心がけると良いと思います。
雑談の話題をいくつか用意しておく
うまく話せない人が苦手としていることのひとつに「雑談」があります。辛うじてマニュアル通りには話せたとしても、自然な会話ができなかったり相手との軽いコミュニケーションが難しかったりします。
私は営業職でしたが、クライアントや目上の人と雑談をするのがとても苦手でした。そもそも話したいことも特にないんですよね。でも、仕事相手となれば何かしらコミュニケーションをとらなくてはいけません。
雑談が苦手な人は事前にいくつか用意しておきましょう。相手と会ってすぐのタイミングや沈黙があった時などにサッと話せることがあると便利です。
「今日は久しぶりに暖かいですね」
「最近、銀座にオープンした○○行きましたか?」
「○○さん、東京支店に移動されたんですね~」
相手と共通の認識がある話題なら何でもいいのです。天気の話から注目されているニュース・時事ネタまで探せばいくらでもあります。
クライアントの公式サイトやブログなどをチェックし最新ネタを話すのもいいですね。「10店舗目がオープンしましたね。すごい勢いですね」などと伝えると相手には好感触です。
話は続かなくてもかまいません。雑談ですから。それがきっかけで相手も話しやすくなりますし、自分も声を出すことで緊張がほぐれます。
私もクライアントと打ち合わせの際は、いくつか準備しておきました。やっているうちに準備をしてくても、サラッと自然と雑談ができるようになります。さらに経験を重ねれば、中身のある雑談もできるようになるはずです。
言葉にしっかり語尾をつける
話が苦手な人は自身が醸し出している雰囲気だけで、苦手な感じを全面に出しているものです。
苦手だからこそ弱気な態度になってしまい「確認したのですが…」とか「こちらをお願いできると…」とか、内容が途中で切れているような言葉遣いになってしまって、より一層話が下手に聞こえてしまいます。
私も新人の時は常々そうでした。言葉数も少ないですし、語尾を曖昧にしたほうが謙虚な印象になる気がしていました。
しかしそれはただの甘えで、言葉遣いが下手なままではいつになっても仕事ができない幼稚なイメージを払拭することはできません。
言葉の最後が「○○ですが…」「○○ですので…」と、途中で切れないように意識付けをするだけで、まったく違う印象になります。
「これをお願いできると…」⇒「これをお願いしてもよろしいですか?」
「ちょっとお話したいのですが…」⇒「今少しだけお話いいですか?」
「あれ?確認したのですが…」⇒「確認したつもりでした。申し訳ございません」
「木下さんって…どこに…」⇒「木下さんは今どちらにいらっしゃいますか?」
語尾をしっかり話すには言葉の引き出しを増やして何度も意識づけをすれば、すぐに慣れていきます。
イメトレをする
上手に話をしている自分をイメージすることで、自信を高めていきます。
イメトレは頭の中で思い描くだけでなく、実際に鏡の前で実践することがおすすめです。録画をして観察するのもいいですよね。自分を客観的に見ることで気づくことがたくさんあります。
仕事で上手に話すには声のトーンも大切です。キレイに話すにはその内容と同じくらいに声の質も重要なのです。
アナウンサーの話が聞きやすく耳に心地いいのは、声のトーンも関係しています。実際に、一流のビジネススクールでも発声練習をする授業があるほどです。
- 低い声を意識して話す
- 語尾をはっきりと発音する
- ボディランゲージも併用する
アナウンサーの話し方をイメージすると分かりやすいと思いますが、聞きやすい声は少し低いトーンで落ち着きを出すと良いとされています。
声のボリュームは大きすぎず小さすぎずで、語尾もしっかり発音すること。
「よろしくおねがい…します…」とどんどん声が小さくなってしまうと、それだけで話が下手そうな雰囲気を出してしまうので、語尾までしっかり声を出すことを意識します。
ボディランゲージは、大袈裟な身振り手振りをすると日本では不自然に見えるので、相槌を打ったり、少し口角をあげたり、書類に少し手をかざしてみたりと、相手が心地良いくらいの自然な動きを加えます。
困ったら「確認します」で逃げる
相手の質問に対してどう返答すればよいか困ってしまって「えっとそれは…」と言葉が出ずにうまく話せないこともありますよね。
そんな時は、無理に話さずに後日改めて伝えます。言葉に詰まってしまうとかえって印象が悪いですし、相手を不安にさせてしまうこともあります。
取引先との打ち合わせで、なんて言えばいいんだろう…分からない…と思ったら「これは上司に確認してすぐにご連絡します」と伝えればいいのです。
これは新人だからこそ使える技です。確認したらなるべく早く電話かメールで返答します。
異なる場面では、上司との会話で言葉につまることがあれば「自分の考えをまとめておきます」「総務に確認してすぐにご連絡します」などと持ち越す方法もあります。
言葉に詰まってその場で黙ってしまうよりも好印象です。返答に困った時は何かしらのアクションを起こしましょう。
メールを活用する
話が苦手な人はメールを活用して2段階で相手に伝える方法もあります。
私は新人の頃から今もそうしているのですが、打ち合わせで決まった内容や自分が重要だと思うことは、後日メールに残すようにしています。
取引先であれば「今日はお時間いただきましてありがとうございました。」とお礼も兼ねて、打ち合わせで伝えたかったことを短く簡潔に書き添えます。
後日メールでも伝えておけば「今日の話、上手く伝わったかな…」「もっとこう言っておけばよかったな」という不安も軽くなるはずです。
まずは実践してみよう
うまく話せない私がやっと安定してきたな…と思えたのは3年くらい経ってからです。その頃には、慣れもあるでしょう。仕事で話せない人がラクになるには時間も必要なのは確かです。ただ、前向きに努力もせず過ごしていると、慣れることも難しくなってきます。
大切なのは、自信を持って積極的に話すこと。上手く話すには「気持ち」も大切です。