【メールと電話はどっちがいい?】怒られないビジネスメールの正しい使い方


相手の都合を考えてメールで連絡したものの「そんなことをメールだけで済ませるな!」と怒られたり、丁寧なやり取りを心掛けて電話を使っているのに「いちいち電話してくるな!」と注意された経験はありませんか?

ビジネスメールは、タイミングや用途によって正しく使うことが大切です。どういう場面で、メールを使うべきか?または電話を使うべきか?

しっかりを把握して仕事で怒られない正しい使い方をマスターしましょう。

メールのメリット・デメリットを知れば正しい使い方がわかる

メールの正しい使い方を知るためには、まずメールのメリットとデメリットを把握することが重要です。

メールのメリット

メールの一番のメリットは、こちらの都合で気軽に連絡できることです。

相手を拘束せずに連絡できる

メールを受け取った相手は、自分のタイミングで内容を確認することができます。相手が業務に集中したい時、会議中で電話に出れない時などは、メールのほうが便利ですよね。

好きな時に確認できると言っても、一般的には朝一の確認から始まり1日に数回チェックをします。パソコンやスマホ上で受信通知を設定している人もいますから、仕事ができるは人ほどこまめにメールチェックしています。

タイムスケジュールが管理しやすい

相手だけでなく自分も拘束されないこともメリットです。出社が9時からでも、少し早めに業務を片付けたい場合は9時前からメールを送信しておくこともできますし、外出前に相手に要件を伝えておきたい場合は、とりあえずメールを送っておけば安心できます。

自らのスケジュール管理も容易にできるので、業務のスピードアップにも繋がります。

同時に複数人に連絡できる

業務進行に関わる人物が複数人いる場合は、決定事項や質問事項をそれぞれに連絡しなければなりません。

電話や紙ベースだと1人ひとりに伝えないといけないところを、メールならBCCやCCを使えば、同時に複数人に同じ内容を連絡することができます。

伝え漏れを防ぎ業務レベルも向上します。

文書で残すことができる

電話連絡だと「言った/言わない」の問題が起きやすく証拠が残らないので、後々大きな問題に繋がるケースもあります。

FAXや郵便書類などの紙ベースであっても、相手が受け取っていないと言い訳してくれば、何も証明するものがありません。

しかし、メールなら相手の受信ボックスに履歴が残りますし、仮に消去されたとしても自分の送信履歴に残るため、情報の伝達ミスなどが起きても大きな問題に繋がりにくいというメリットがあります。

メールのデメリット

メールが持つ効率性・利便性ゆえに、デメリットも多くあります。

メールの返信がいつなのかわからない

メールには相手が閲覧したかどうかを教えてくれる機能がある場合もありますが、既読されたからと言っても、しっかり中身を読んでいるかどうかまでは分かりません。

急ぎの用事や重要事項であった場合には、業務進行が滞ってしまったり、ミスが発生するケースも考えられます。

細かなニュアンスを伝えにくい

日程変更や業務決定事項など分かりやすい内容であれば問題ありませんが、デザイン訂正や文字の修正など、微妙なニュアンスで伝わり方が変わってしまう内容は、相手が正確に認識できていない場合もあります。

コミュニケーションが薄くなる

謝罪メールやお礼メールは、表情やしぐさなどでニュアンスを伝えることができないため、言葉の表現や言い回しに気を配らなければなりません。

場合によっては、メールで簡単に済ませていること自体がNGになることもあります。その際は、メールを使わずに、電話や直接訪問が必要になることもあります。

誤送信メールが残ってしまう

間違って送ってしまったメールは相手にデータが残ってしまいます。

見積もり数字や顧客情報などの情報漏洩であれば、自分だけでは解決できないほど大きな問題になるケースも想定しておかなければなりません。メールには、危機管理能力が必須になってきます。

ビジネスメールが苦手な人もいる

場合によっては、パソコンが苦手でメールの使い勝手をいまいち把握していない人もいます。

添付がついているのかどうかが分からない、そもそもメールを確認する頻度が少ないという人もいるでしょう。メールを送る際は、相手の使用頻度や、パソコンの機能性もチェックしておく必要があります。

メールのメリット・デメリットまとめ

【メールのメリット】

  • 相手の時間を拘束せずに連絡できる
  • タイムスケジュールが管理しやすい
  • 同時に複数人に連絡できる
  • 文書で残すことができる

【メールのデメリット】

  • メールの返信がいつなのかわからない
  • 細かなニュアンスを伝えにくい
  • コミュニケーションが薄くなる
  • 誤送信メールが残ってしまう
  • ビジネスメールが苦手な人もいる

ビジネスメールと電話の使い分け決定のコツ

メールと電話を使い分けを決める時は「自分都合」ではなく「相手都合」で考える必要があります。このスタート地点で間違えると大きなミスに繋がる可能性が高くなります。

「電話は嫌い…」と自分都合で考えない

ここ最近のビジネスシーンでは、メールの使用頻度が格段に上がっていますよね。メールは業務を効率化できるため、様々な業種でメインのコミュニケーションツールとして使われています。

一方で”電話”は、いちいち面倒…話すのが苦手…といった理由で頻度が少なくなっているように感じます。だからと言って「自分都合で電話を嫌い、メールを選ぶ」というスタンスは避けたいところです。

電話には、声のトーンやスピ―ドで相手に感情を伝えやすく、細かなニュアンスを伝える時にも便利です。コミュニケーションツールとしては優秀で、時と場合によってはメールと電話の両方を活用していかなければなりません。

相手の立場になって考える

連絡手段は相手の都合に合わせて選びます。

相手がメールを使うことが多い場合は、メールでのやり取りを基本スタイルにしてよいでしょう。相手もメールを好んで使っているケースが多いからです。

一方で、電話ばかりを使う相手には、電話も併用しましょう。「電話のほうがやり取りが速い」「電話で簡単に済む内容ならメールはいらない」という考えの人ももちろんいます。

「相手が電話で要件を伝えてきたのにこちらはメールで返事をする」というのは不自然です。

そんな時は、相手は受信ボックスを確認せずに電話で折り返しを待っています。通達ミスが発生することを視野にいれ、電話を入れるのがマナーです。文書で残したほうがいい連絡事項は後ほどメールも送っておくと、お互いの誤認も防げます。

さらに、FAXを使うシーンもあります。FAXのほうが使い慣れている人も中にはいます。年配の方に多いかもしれません。その場合は、電話とFAXを併用しましょう。

メールを好む人の言い分

  • いちいち話すのが面倒だから
  • 外出が多く電話にでられないことが多いから
  • メールのほうが業務を整理しやすいから

電話を好む人の言い分

  • メールを打つのが面倒だから
  • 電話のほうが速いから
  • 返信を待つのが嫌だから
  • 声を直接聞いたほうが確実だから

FAXを好む人の言い分

  • メールの使い方がわからない
  • かといって電話だけだとわかりづらい
  • 紙ベースで業務を整理したいから

ビジネスメールと電話の使い分け具体的方法

では、具体的にはどういうシーンでメールと電話を使い分けたほうがいいでしょうか。メールだけ・電話だけ・メールと電話の併用の3パターンで挙げてみます。

メールの使い分け

職種によっては、大量のメールを処理することが日課のビジネスマンもいます。受信ボックスの件名を見ながらスピーディに処理していく人もいますし、メールを見ながらその日のTODOリストを作成する人もいます。仕事がデキる人ほど細かいやり取りが多く、スケジュール管理にはシビアなのでメールを送っておくだけのほうが進行がスムーズです。

メールを送っているのに電話も併用して「メールしました」「メール届いてますか?」などといちいち電話を入れると嫌がられることもあります。

今はメールのやり取りが主流でほとんどの人が細かくメールチェックをしますので、緊急性がない連絡事項ならメールのみでOKでしょう。

電話の使い分け

電話だけでいい時は、文書で残す必要がない簡単なやり取りや、相手が電話の折り返しを求めた時です。後日、文書確認する必要がない内容であれば、電話のみでも問題ないでしょう。

そして、謝罪の時もメールではなく電話を使ったほうがいいケースがあります。比較的ミスが軽度で大きな問題にならない時の謝罪であればメールで送りますが、重大なミスの時は下手にメールを送らないほうがいいこともあります。

しっかりした謝罪が必要な場面で、メールを先に送ってしまうと「メールで済ませる気か!?」と相手に誤解を与える原因になります。また、謝罪は絶秒なニュアンスも大事になってくるので、文脈だけでは誠意を伝えられないことが多々あります。相手が怒り奮闘しているなら、メールではなく電話で対応した方がいい場合がほとんどだと思います。

電話は気まずくて嫌ですが、避ければ避けるほど大きな問題になっていきます。場合によっては電話ではなく直接訪問が必要なケースもあるので、やり取りに迷ったら上司や先輩に相談してみましょう。

メールと電話両方を使う

ミスが発生しそうな時とは、緊急の内容である場合や文章のニュアンスで誤認を与えてしまいそうな場合、メールを見てもらっている可能性が低い場合などです。ミスが起きてる時とは、相手に返事を待たせてしまっている場合などです。

一方的にメールを送信するだけでなく、電話でも内容を伝えておいたほうがいいケースを挙げてみましょう。

  • 要件に緊急性がある時
  • 相手が連絡を待っている時
  • 言葉のニュアンスが重要な時
  • メールが届いているか心配な時 など

メールでも【重要】【緊急】の内容を送ることはあります。しかし、1時間以内に返信の必要があるような切羽詰まった緊急性がある場合や、相手が至急に連絡を待っている場合には、メールのみでは失礼にあたります。スピードが重要視される業務では、メールと電話を併用したほうが確実且つ丁寧です。

  • 一般的な日程の変更→メールのみでOK
  • 明日または当日の日程の変更→緊急性があるため電話も必要
  • 指定された期日以内にメールを返信した時→メールのみでOK
  • 指定された期日を過ぎて返信した時→相手に迷惑をかけた可能性があるので電話で謝罪も必要

言葉のニュアンスが重要な時とは、デザイン修正やプロジェクトの内容変更など、言葉の使い方で相手の認識が間違いやすい場合です。

文章にすると長くしつこい内容になってしまったり、曖昧さを残してしまうのであれば電話でも説明したほうがいいですよね。ニュアンスが伝わりづらいと、逆にメールのほうが非効率になります。電話で伝えてほうが確実でスピーディだと感じれば、電話を活用しましょう。

メールが届いているか心配な時は、添付ファイルが容量ギリギリだった時や、相手の返信が遅い場合です。心配なら”前回送ったメールが届いているかを確認するメール”を送るのもOKですが、締切が近づいていたり、何度もメールするのが失礼にあたる場合は、電話のほうがスムーズです。

ビジネスメールと電話はバランスよく使い分けよう

正しいメールの使い方や電話との併用の仕方は、相手の気持ちや立場を考えれば適切な使い方が見えてきます。自分だけの都合ではなく、相手に寄り添うことが重要です。

メールと電話の使い分けは経験を重ねれば「こんな時は電話も入れておいた方がいいな」と瞬時に適切な判断ができるようになります。

しかしそういった正しい判断ができる人は、ミスもたくさん経験しています。「あの時はメールだけで済ませて怒られたな…」「電話したらしつこいって言われたんだよな…」といろんな反省を重ねて上手に使いこなしているんです。電話が苦手…メールの使い方が分からない…といった悩みはほとんどの人が通ってきた道。月日が経てば自然と慣れてくるはずです。