安倍政権が掲げる「女性が輝く社会」の政策のひとつで、現在は1歳半まで認めれらている育児休業を、3年に延ばすことができるようになりました。
保育園が見つからず、会社に復帰がしづらい人にとっては安心できる要素のひとつですね。
しかし、3年育休後に復帰した場合、女性が働きやすいかどうかという視点ではどうでしょうか。
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長すぎる育休は会社に嫌がられる
長すぎる育休は、明らかに会社やマーケットの流れからおいていかれることになり、場合によっては今まで築いてきたキャリアが水の泡になることだってあります。
3年休もうが10年休もうが、休んでいる間は、せわしなく子どもの世話をして一生懸命子育てしているので、悪いことはしていませんが、会社からは都合がいいなと思われるパターンが多いのが現状です。復帰後の女性は、働ける時間に柔軟性がなく、ブランクのせいで即戦力になりずらい上、子どもがどうとかで休みたいと言えば、会社はNOとは言いにくいので、都合がいいと思われることを全否定できないところも現実です。よっぽど大活躍をしていた超優秀で凄腕の重要社員なら別かもしれませんが、長い育休後に会社に復帰する事を歓迎されない一般的な女性社員のほうが、圧倒的に多いと思います。
会社に復帰できても、本当の問題は復帰後にある
女性が育休に入るときには、担当の仕事を他の社員にバトンパスします。自分がやっていた仕事はすべて他人にお願いし、自分が開けた穴を、他の社員に埋めてもらわなければなりません。
そして育休をあけてから「戻ってきたので仕事を返してください」なんてことはできません。長い間休んでて現状がどうなってるか分かるの?って言われれば返す言葉はなく、パスをもらった人から見れば、とんでもなく自己中なこと言ってるようにしか見えないですよね。
そして、給料はキャリアと共に増えるわけがなく、むしろ育休前より減らされる始末。
育休をした女性は、ほぼ要無しからのスタートになり、自分のポジションをゼロから築き上げていかなければならないんです。仕事をしていない3年というブランクを抱えて、会社に復帰したところで、再び活躍するには相当な精神力と労力が必要です。
そんな女性の苦労を知ってか知らずか、「育児休業3年」て、女性の社会復帰の足を引っ張っているようにしか感じません。
育休をまだ経験したことのない女性が初めての出産時、キャリアも積みたいけど、育休もしっかりとりたいと考えていたらどうでしょう。結婚・出産で幸せ三昧の女性社員が、何も知らずに3年育休をもらっていざ復帰してみたら、ツラい現実が待っていたなんて話は悲しすぎます。会社は建前ばっかりで本音を言ってくれません。言ったらパワハラだセクハラだと叩かれるからです。それでもじっと我慢し、泣きながら努力している女性はたくさんいます。
復帰後の悩みは、日本企業における仕事の習慣も原因のひとつ
日本では、長時間労働が当たり前な習慣や、上司が忙しくしているそばから先に帰宅することを良しとしない風習があり、振る舞いだけでも一生懸命仕事している風の人のほうが歓迎される環境にあります。
しかし子どもがいるなら、長時間労働や、上司より先に帰るのが気まずい雰囲気は、受け入れることができません。限られた時間の中で成果を出し、上司の顔色をうかがいながら業務を一生懸命こなすことしかできません。また保育園の保護者会の参加や、子どもの急な発熱の対応など、会社に頭を下げる機会も多くなっていきます。
しかし、いきなり休みをとったり、時間に柔軟に対応してくれない社員は、すぐさま邪魔者扱いされます。会社は建前ではフォローしていますが、他の社員の中には妬みやひがみを持っている人まで現れたりします。
家に帰れば、寂しい思いをしていた子どものわがまま攻撃が待っています。さらに片付けなければならない家事が待っています。
そんな女性が、負担を軽減した子育てと、スムーズなキャリアアップを実現するには、会社復帰後の支援をもっと違う目線で行わないといけないと思います。
女性が働きやすく、上手にキャリアアップするために重要なことは、仕事に集中できる時間が適切に確保できるかどうかです。
女性が仕事をしやすくするために、こういう支援が欲しい!
女性が会社で柔軟に対応しながら成果を出し、子育てと仕事のバランスを保つには何が必要か考えてみました。
1、病児保育に対応できる託児所を会社に設置するか、会社と連携した託児所をつくる。
子どもを預けているほとんどの保育園は、病気になった子どもを連れていくことができません。その代り、病児専門の保育施設はありますが、そうそう家の近くにはないし数も限りがあり、申請するにもかなり難しいのが現状です。ベビーシッターもインフルエンザなど感染性の高い病気の場合は、受け付けてくれないことが多いのです。
そんな時に、会社に病児保育に対応できる託児所がある、または会社の近くに病気の子どもを預けられる施設があれば、かなり助かります。
会社に度々休みをもらうことに引け目を感じている女性は多いと思うので、会社のそばに安心して病気の子どもを預けられる施設があれば、女性も気兼ねなく仕事をすることができるはずです。
2、安心なベビーシッターの割引制度をもっと充実させる。
子どもが病気のとき、帰宅が遅くなりそうなときなど、ベビーシッターにお願いしたいときが多々あります。親や夫に協力してもらうのがベストですが、それがなかなか難しい人がいるのも事実です。しかもベビーシッターには、帰宅後に家事をお願いしたり、在宅ワークをしているときに子どもを見てもらったりもできます。
ところが、信頼性が高く安心して預けられるベビーシッターにつどつどお願いしていると、かなり高額になってきます。そのお金の負担を軽減できればとても助かります。そして、会社にどうしても残業してほしいと頼まれたときに、時間に柔軟に対応できる女性社員は、会社でも信頼を勝ち取り、キャリアアップにつながるはずです。
※現在、ベビーシッターの割引制度は存在しています。
3、長時間労働をしない習慣を日本に定着させる。
自分が長時間労働をしないように業務を進行させていても、クライアントや取引業者が、遅くまで仕事をしている会社だと、それに時間を合わせて対応しなければならないことが多いので、自分ばかりが早く仕事を片付けたところで問題が解決しません。なので、社会全体に長時間労働をしない習慣が定着しなければなりません。これはかなり難しい問題ですが、ぜひ日本にも効率の良い新しい働き方が根づけばいいなと思います。
まとめ
私も、育休を1年とった経験があります、今思えば、給料が大幅に減ってでも、時短勤務や在宅ワークでお願いして、もっと早く復帰すればよかったなと思います。
復帰時に問題になるのは、社会から離れていた期間=ブランクです。
ブランクが長ければ長いほど、仕事のペースを取り戻すのに時間がかかるし、自分の存在価値もどんどん遠のいていくからです。
仕事も子育ても両方やるって、ホントに想像以上に大変で、世の働くお母さんはホントにこんな生活してるんかい!っと疑うほど、毎日限界でした。そんな女性たちが気持ちよく働ける社会を実現してほしです。