私も過去に、社長から「明日からこなくていい」と言われた経験があります。
しかし、すぐに処理しないといけない仕事が山積みだったので、とりあえず対応してから辞めよう…と思っていたらズルズルと日が経っていき、そんなこんなで結局8年働いていました。
「明日からこなくていい」というのは、部下としてはとても面倒な発言です。進捗中の仕事はどうするの?退職届とか正式なやりとりいつするの?それは反省させたいから言ってるだけ?など疑問が次から次へと湧いてどう対応すればいいのか悩むところ。その上、結構へこむ言葉だし、ストレスと不安を抱えたまま対処するのがつらいですね。
「明日からこなくていい」と言われた場合、誰に言われたかで対応が違います。
社長(雇い主)に言われるのと、上司(雇い主でない人)の都合で勝手に口走っているのでは、対応の方法が大きく異なります。
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上司が「明日からこなくていい」と言ってきた時の対処法
自分の失敗が続いて、ついに上司から「明日からこなくていいよ」と言われてしまった時、どう対応するべきでしょうか。
「明日からこなくていい」の言葉のニュアンスをくみ取る
「明日からこなくていい」と言った上司は、
(1)「明日からこなくていいと言われるくらい重大なミスをしてるんだぞ。クビになってしまったと思うくらい反省しろ。」というニュアンスを含んでいるのか
(2)本気で見損なって、「ごめん、もう頼むから一緒に仕事したくないんだよ」というニュアンスなのかをくみ取ることです。
この違いはとても大きいです。
どういうニュアンスかくみ取れないなら正直に聞いてみることも視野に入れます。そのときはくれぐれも反省している雰囲気を出しながら伝えてください。言い方によっては、刃向かっているように見えてしまいます。
(1)の上司の場合は、反省して心を入れ替えてほしいという意味が含まれていて、まだ部下の教育をする気はあります。そういう上司は、高圧的にプレッシャーをかけてあなたの意識を変えようとしています。素直に反省していることを示し再度チャンスをもらえるようにお願いしてもいいと思います。
(2)の上司の場合であれば、部下の面倒はさらさらごめんだ状態で、一緒に働いてもお互い損する時間を過ごすことになります。本当に見放されている可能性もあります。この場合は他の社員に相談するか、転職をして他の場所でチャンスを見つけてみてもいいかもしれません。
上司には退職させる権限がないので気にせず次の日も出勤する
明日からこなくていいと言ってきた人が雇い主(社長)でないのであれば、上司には「明日からこなくていい」と勝手に決定する権限はありません。
上司と部下が雇用契約しているわけではないので、上司が勢い任せに発した言葉であれば、「法律上あなたにその権限はありません」とでも言いたいところですね。
ただ、直の上司なので、後々面倒なことになるくらいであれば、謝罪をする程度に抑えたほうが大人の対応として適切です。
よくありがちなのが、上司にこなくていいと言われたので明日お休みしますといって、子どもじみた対応をしてしまうことです。
売り言葉に買い言葉で気持ち任せに行動すると、弱者である部下という自分が不利な状況になり、自分で自分の立場を悪化させることになります。
上司にこなくていいと言われて、正式なやり取りをせずに、次の日に出勤しなければ、無断欠勤になります。無断欠勤は就業規則違反に該当してしまう可能性もあるため避けるべき行為です。
どんな時も進行中の仕事は中途半端にしないほうがいい
進行中の業務を中途半端にして、上司の勢い任せの言葉に振り回され、解決しないうちに辞めてしまうと、自分の成長プロセスにも悪影響ですし、この先ずっと心残りがあるままになってしまいます。
ビジネスマンとしてきちんとした対応をとったほうがいいので、進行中の仕事があれば関係業者や顧客(クライアント)に迷惑をかけないように、他の社員にバトンパスするか、区切りのいいところまで業務を片付ける必要があります。
あなたが会社を辞めようが辞めまいが、お金を払ってる顧客に負担をかけさせてもいい理由にはならないからです。
会社がどうの上司がどうのというより、ビジネスマンとして責任ある行動を最優先するべきです。
高圧的にプレッシャーをかけてくる上司もいることを理解する
「明日からこなくていい」とパワハラ的対応をされると、「どうせ自分なんかいないほうがいいんだ」と自信をなくし、自分の価値を見出せなくなる人もいるでしょう。とても辛い立場に追い込まれていますね。
しかし、必要以上にへこまなくてもいい時もあります。その上司はわざと本人に大きなプレッシャーをかけている場合も多いからです。
何度も同じ失敗を繰り返したりミスがなくならない人は、インパクトのある怒り方をされると集中力が発揮され、見違えるように仕事ができるようになる特効薬になることも事実です。
人間は追いつめられ危機にさらされると、隠れていた本来の能力が発揮できるものなのです。
そんな即効性を期待して、最終手段で大きなプレッシャーをかけてくる上司もいます。
どんな仕事でも素晴らしい成績を上げている世界中のデキる人は、必ずプレッシャーと戦っています。精神力と忍耐力を鍛え努力しています。人は成長する過程でプレッシャーと戦う場面は少なからずあります。
この機会を自分の人生の中でどうとらえるか、どう乗り越えていくか、今一度、考えてみてもいいかもしれません。
他の社員に相談し、対応方法を教えてもらう
直の上司から「明日からこなくていい」と言われたら、上司のさらに上の上司に相談したり、他の社員に相談して、どう対応するか決めるのもひとつの解決方法です。
その上司が自分の都合だけで「明日からこなくていい」と言っているパワハラまがいの上司であるなら、1対1で話し合っても、思うように解決しない場合もあるでしょう。
社長(雇い主)から「明日からこなくていい」と言われた場合の対処法
社長から(または社長からの命令で上司が言ってきた場合)、突然に明日からこなくていいと言われるのは、(特別重大な犯罪行為がなければ)違法解雇です。
もし突然言われたら、解雇か退職勧告かを考えてみましょう。
解雇が言い渡されるのは、「横領した」「副業した」など犯罪的行為や就業規則違反などの明らかに会社の不利益である場合のみで、仕事ができないなどを理由として突然解雇することは労働基準法に違反しています。
もうひとつ、退職勧告とは、退職を促している行為です。よくある話で、リストラするのに会社から積極的に解雇ができないため、無理やり「自己都合による退職」を本人に迫るようなやり方をしている会社もありましたね。
「明日からこなくていいい」→退職推奨に対して、「わかりました」と言うと→退職推奨に合意となるので、安易に返事をすると、会社の都合での解雇ではなく、自主退職というかたちをとられてしまうケースもあります。
解雇とも捉えられる発言に対しては、「なぜ解雇なのですか?」と言ってください。
これを言わなければ、自主退職扱いになり不本意です。
退職推奨されたときには、その理由を聞いてみましょう。ここは人として、もう少し戦うべきところです。きちんとした理由も告げられず辞めると、次に転職しても前に進めません。
その理由が正当性があるのであれば、転職を考えてみてもいいですが、自分で納得いかない内容であれば、その理由をクリアするための時間をもらうのか、条件をもらうなどこちらからもアクションを起こします。
そのときに会社に残るのに必要な条件として、現実的でないノルマを提示してきたり、理不尽な条件を突きつけてくるなら、会社の質が問われる問題なのでそういう会社はあまりいい雰囲気ではありません。転職を考えてみてもいいかもしれません。
すべて自分のために行動する
もし、心身の健康を損なったり精神面でかなり負担になるようであれば、転職を考えてもいいと思いますが、理想なのはその上司とはきちんと話し合い、そして戦うべきです。
海外では成果主義の会社が多く、本人のパフォーマンスが悪ければ、簡単にクビになるケースはよくあります。日本ではあまり日常的ではないのでちょっとビビりがちですが、会社というのは本来そういう場所です。成果を出さない・会社にとって不都合だ、と思えば容赦なく選別してきます。
会社で成果を出し続けることは努力のいることです。反対に、諦めて退職するのはごく簡単なことです。辞めますと一言告げるだけで実現します。そんな簡単なことなら、あと1日、あと1週間ともう少し踏ん張ってみてもいいかもしれません。その時はくれぐれも自分の体調はきちんと管理してください。
しかし状況により、今の仕事内容に魅力がなかったり、他にやりたい仕事があるなら転職を考え次のステージに進んでみるのも、もちろん素敵なことですよ。